Ⅲ 入学者選抜インターネット出願システムの改善について

1. 1 概要

令和6年度神奈川県公立高等学校入学者選抜(以下「入学者選抜」とい う。)から、志願者及び中学校・高等学校の負担軽減と利便性向上を図る ため、志願手続、合格発表、入学検定料及び入学料納付等をシステム化す る入学者選抜インターネット出願システム(以下「システム」という。) を導入した。

【 令和6年度入学者選抜の実施状況(共通選抜の例)】

令和6年1月4日~31日 志願者登録申請期間
1月24日~31日 募集期間
2月5日~7日 志願変更期間
2月28日 合格発表

令和6年1月4日からシステムを稼働したところ、メール送信等の不具 合が発生した。

これらの不具合の再発防止に向け、デジタル戦略本部室の協力を得なが ら、システム開発・運営会社から提出された報告書、県立高校の新入生等 へのアンケート結果及び中学校からの意見を踏まえ、システム改修等の対 応を行うこととした。

2. 2 発生した不具合とその対応

2.1. (1) メール送信の不具合

ア 概要

志願者が志願者登録する際、あらかじめ二次元コードを読み取って、 システムに空メールを送り、返信されたメールに記載されているURL にアクセスする必要があるが、

その際、「@gmail.com」のアドレスあ ての返信メールが届かない等の不具合が発生した。

イ 不具合の原因と対応

(原因) システムのメールサーバにおいて、設定が十分でないままに大量メールを送信したため、 メール受信側(Gmail)でシステムが迷惑メールの「送信元」と判定されたと考えられる。

(対応) システムのメール設定の見直し等を行うとともに、「@gmail.com」 のアドレスしか登録していない志願者623名については県教育委員会 が管理する別のメールアドレスを提供した。-

ウ 再発防止策

(ア) 志願者登録方法の変更
  志願者登録にあたり、二次元コードを読み取った時点で行っていたシステムからのメール送信を取り止める。
(イ) ショートメッセージサービス(SMS)による認証の導入
  システムログイン時のセキュリティ対策として、今までのメール認証に代えて、新たにSMSによる認証を導入する。
(ウ) メールドメインの変更
  システムから送信されるメールのドメインを昨年度使用したものから変更する。

2.2. (2) 入学検定料の二重納付

ア 概要
志願者が、クレジットカードを利用してシステムから入学検定料を
納付する際に、63件の二重納付が発生した。
イ 不具合の原因と対応
(ア) ブラウザバックによる二重納付
(原因)
志願者が入学検定料の納付後、システムの「戻る」ボタンを使わ
ず、ブラウザバックを繰り返したことで、クレジットカード番号の
入力画面まで戻り、再度、入力されてしまった。
(対応)
速やかに、注意喚起表示を追加するシステム改修を行った。
(イ) 連携プログラムの不具合による二重納付
(原因)
収納代行会社のシステムとの連携プログラムに不具合があり、入
学検定料を納付されたことが認識されない事象が生じた。
(対応)
速やかに、連携プログラムの不具合を解消するシステム改修を行
った。
(ウ) 納付情報の紐付けがなくなったことによる二重納付
(原因)
入学検定料の納付後に、志願情報に誤りがあった場合に、志願者
によるデータ修正で足りるところ、データを削除して、新規に志願
申請したため、入学検定料の納付情報との紐付けが切れてしまった。-11-
ウ 再発防止策
入学検定料納付後、志願者が、データを削除し、新規に志願申請し
た場合も、入学検定料の納付情報との紐付けを維持できるようにシス
テムを改修する。

2.3. (3) 受検票の文字化け

ア 概要
志願者が受検票をシステムから印刷する際、文字化けが発生するこ
とがあった。
イ 不具合の原因と対応
(原因)
志願者の端末やOS等の状況及びプリンターの状況が複合的に影響し、
文字を正確に表示することができなかったと考えられる。
(対応)
受検票の出力方法を変えることや、文字化けしたものを手書き修正
した受検票でも受検に支障ないこと等を案内した。
ウ 再発防止策
受検票等のデータを画像として生成し、PDFファイルに変換するよ
うにシステムを改修する。
また、システムへの文字入力の際、機種依存文字を登録できないよ
うにする等、システムを改修する。

2.4. (4) アクセス集中時の不具合

ア 概要
志願者がシステムで入学料を納付する際、合格発表当日の一部時間
帯において、入学料を納付しても、直ちに入金完了と表示されない事
態が194件発生した。
イ 不具合の原因と対応
(原因)
システムへのアクセス集中により、データベースサーバへの負荷が
発生し、収納代行会社のシステムとの連携処理が大きく遅滞した。
(対応)
速やかに、システムの納付リストと収納代行会社側システムと支払
の整合性を図り、システムを復旧した。-12-


ウ 再発防止策
アクセス集中による、データベースサーバの負荷を分散するため、
データベースサーバを複数割り当てる等サーバ環境の構築を行う。

4 スケジュール(予定)

令和6年6月~10月 システム改修、セキュリティ外部診断・テストの実施
11月~ 練習サイトの運用
12月~ 本番サイトの運用開始
令和7年1月23日 令和7年度入学者選抜募集開始


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